訪問歯科診療の大切さ
超高齢社会の現状
日本の総人口(平成26年10月1日現在)は、1億2,708万人。
そのうち65歳以上の高齢者人口は3,300万人で、全人口の25.9%と、4人に1人は高齢者という「超高齢社会」となっています。
超高齢社会に伴って、在宅診療を受ける方も増えており、介護者認定で要支援者・要介護者に認定される方も多くなっています。そのため、ご自宅や施設での歯科診療のニーズも高まっているのです。
こちらのグラフは日本人の死亡原因を調査したものです。肺炎は誤嚥性肺炎を含めると、老衰を抜いて未だに死亡原因の第3位になります。
そのうち65歳以上の高齢者人口は3,300万人で、全人口の25.9%と、4人に1人は高齢者という「超高齢社会」となっています。
超高齢社会に伴って、在宅診療を受ける方も増えており、介護者認定で要支援者・要介護者に認定される方も多くなっています。そのため、ご自宅や施設での歯科診療のニーズも高まっているのです。
こちらのグラフは日本人の死亡原因を調査したものです。肺炎は誤嚥性肺炎を含めると、老衰を抜いて未だに死亡原因の第3位になります。
シニア世代の方、寝たきりの方にこそ歯科診療は必要です
体力や抵抗力が弱っているシニア世代の方や、お身体が不自由な方は、むし歯や歯周病が発症・悪化しやすいだけでなく、お口の中の細菌が原因で誤嚥性肺炎を起こしたり、血管障害、心臓病、糖尿病などの疾患を引き起こしたりするリスクもあります。とくに誤嚥性肺炎は、シニア世代の死亡原因でも上位にあがる恐ろしい病気なため、注意が必要です。
下記のような病気を回避するためには、歯科診療による口腔ケア(歯周病治療と嚥下機能訓練)が必要です。訪問歯科診療を受けることで、歯科医院を受診することが難しいシニア世代の方やお身体が不自由な方、寝たきりの方の全身の健康を守ることにもつながります。
下記のような病気を回避するためには、歯科診療による口腔ケア(歯周病治療と嚥下機能訓練)が必要です。訪問歯科診療を受けることで、歯科医院を受診することが難しいシニア世代の方やお身体が不自由な方、寝たきりの方の全身の健康を守ることにもつながります。
口腔内細菌による全身疾患のリスク
呼吸器系疾患 | 口腔内細菌が気管支や肺に入って感染することで、肺炎や気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性疾患といった呼吸器系疾患が起こりやすくなります。 |
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心疾患 | 口腔内細菌が血流に乗って心臓の血管内に入り、小さな塊を形成して動脈を詰まらせることで、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因となります。 |
糖尿病 | 歯周病と糖尿病には相互関係があります。歯周病にかかると血糖を調整するインスリンの働きを妨げ、糖尿病を誘発・悪化させるリスクが高まります。また糖尿病の悪化により歯周病も悪化しやすくなります。 |
摂食嚥下リハビリテーション
摂食嚥下とは
摂食嚥下(せっしょくえんげ)とは、「食べ物を口に入れる」「口の中で咬み砕く」「飲み込んで胃に送る」といった一連の食べるための過程のことです。摂食嚥下障害とは
摂食嚥下の過程で、咳き込んでしまったり、飲み込むのに時間がかかったりする状態を「摂食嚥下障害」と言います。摂食嚥下障害になると、口から十分な栄養を摂取できなくなるだけでなく、誤って気管支や肺に食べ物や飲み物が入り込むことで「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクがあります。
とくに認知症や脳梗塞、脳出血など脳血管障害の方は、嚥下機能が低下しやすいため注意が必要です。
- 摂食嚥下障害が疑われる症状
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- 摂食嚥下障害が疑われる症状
- 鼻に飲食物が入ってしまう
- 食事の時にむせる、咳き込む
- 食事に1時間以上時間がかかる
- 喉に食べ物が引っかかる感じがする
- 口の中に食べ物が残る
- 食後に声がかれる
- 発熱を繰り返す
- 飲み込むのに時間がかかる
お口のケアをしていると、発熱・誤嚥性肺炎のリスクが減ります
以下は、要介護高齢者を対象にお口のケアをしている人とそうでない人の、発熱発生率と誤嚥性の発症率をグラフ化したものです。
入れ歯の重要性
歯がほとんど残っていないと、
認知症発症リスクが高まります
以下は、残存歯の数と入れ歯使用の有無と、認知症発症までの日数との関係をあらわしたグラフです。歯の残存数が20以上の人に対して、残存歯が少なくて入れ歯を使っていない人の認知症発症リスクは1.9倍にも及びます。だから、義歯を入れてしっかり噛めるようにすることが必要です。
ご家族の方へ
- 訪問歯科診療に関する
お問い合わせはこちら - 訪問診療部
tel.080-2001-6945
いつまでもお食事や会話を楽しむために
当院では、以下のようなさまざまな歯科治療に対応しています。基本的には保険診療の範囲で治療を行いますが、患者様のお口の状態やご要望に応じて自費診療にも対応いたします。
- 対象治療項目
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- 呼吸器系疾患
- 歯周病治療
- 歯のクリーニング
- 歯磨き指導・お口ケア指導
- 抜歯など小規模な外科処
- 入れ歯の製作・調整
- 摂食嚥下リハビリテーション
丁寧で気持ちのよい訪問歯科診療を心がけています
訪問歯科診療時には、まず元気にご挨拶をさせていただき、診療後は、患者様のお口の状態や治療・処置の内容を、患者様だけでなく、ご家族や担当のケアマネージャー、介護スタッフの方にもわかりやすくご説明いたします。また、帰る前には片付けや掃除もしっかり行い、診療後も患者様に気持ちよく過ごしていただけるよう心がけております。
ご家族へのお口ケアのアドバイスもしています
「寝たままのお口のケアが難しい」「歯がない状態ではどのようにケアすればよいのか」「口を開けてくれない」といったお困りごとはありませんか?当院の訪問歯科診療では、ご家族へのお口ケアのアドバイスも行っています。患者様の全身状態やお口の状態に合わせて、最適なケア方法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
医療保険・介護保険が適用されます
訪問歯科診療の費用は、検査や治療にかかる費用の他、歯科訪問診療料、指導料がかかりますが、医療保険と介護保険が適用されるため、自己負担分のみのお支払いで済みます。費用についてご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
介護施設職員・ケアマネージャーの方へ
患者様のお口ケアをサポートします
お口のケアや摂食嚥下リハビリが有効です
シニア世代の方やお身体が不自由な方の発病リスクを低減させるためには、適切なお口のケアや摂食嚥下リハビリテーションを行うことが有効です。お口のケアをしっかり行うことで口腔内細菌をコントロールし、全身への悪影響を防ぐとともに、摂食嚥下リハビリテーションを行って機能の維持・増進を図ることで、誤嚥を未然に防ぐことが可能です。
当院では、簡易的な摂食嚥下の評価を全患者様に行い、それに合わせた摂食・嚥下機能訓練のプログラムを口腔ケアと同時に行っていきます。評価が難しい患しい患者さまはなるべく医科と連携をとっていきます。
当院では、簡易的な摂食嚥下の評価を全患者様に行い、それに合わせた摂食・嚥下機能訓練のプログラムを口腔ケアと同時に行っていきます。評価が難しい患しい患者さまはなるべく医科と連携をとっていきます。
経口維持への取り組みも行っております
当院では、いつまでもお食事を楽しんでいただきたいという思いから、訪問歯科診療において経口維持(お口から食べ物と摂取する)への取り組みにも力を入れています。お口から栄養を摂ることは、患者様の生きる活力を上げるとともに、全身の健康維持にも大きく貢献します。施設のご要望に応じて、摂食嚥下機能の評価、経口維持の体制づくりのご協力やアドバイスもさせていただきますので、ぜひご相談ください。
- お問い合わせ
- 訪問診療部
tel.080-2001-6945
- 食事観察
食事の際の行動を観察します。例えば、以下のような項目について当てはまるかチェックし、現在の摂食嚥下機能を判定していきます。
- 上半身が傾き、しっかりと座れない
- お口の衛生状態が悪い
- お食事を楽しみにしていない
- 食べる時に、何度も嚥下行為をする
- 次から次へ食べ物を口に運んでしまう
- 頻繁にむせたり、せき込んだりしてしまう